今月末が申請期限の「創業補助金」ですが、この補助金は申請対象になれば誰でも申請できるものではありません。
まず、この補助金には「経営革新等支援機関」として認定を受けた「認定支援機関」に依頼する必要があります
この「認定支援機関」には、我々のような税理士や中小企業診断士等の士業や金融機関が存在します。
そこで、この補助金の申請依頼をする際の認定支援機関には、①「金融機関たる認定支援機関」(以下、「銀行等」という。)か、
②「金融機関でない認定支援機関」(以下、「税理士等」という。)に大別される訳です
①の場合は、認定支援機関が金融機関ですので、たいていの場合は創業補助金を申請する事業につき融資を申込むついでに補助金の申請も銀行等が受け付けてくれるという流れになりますので、融資が通る内容の事業計画が存在しなければ当然に融資もおりませんし、結果として補助金の申請もできないこととなります。(金融機関にとって今後の取引をお願いしたいような事業主や、別件での取引との関係により、融資の申し込みをせずとも、稀に補助金の申請のみ受け付ける場合もあるようです。)
今度は前述②の場合ですが、税理士等に補助金の申請を依頼する場合には、税理士等と銀行等との間に、この補助金を申請する事業についての「金融支援にかかる覚書」というものが必要になります。税理等は、この覚書を取るのに非常に苦労します(私もしております・・・。)
この覚書ですが、創業につき融資を受けた場合は、融資先が柔軟に出してくれます。(この事業につき融資をしたのだから当然でもありますが。)しかし、融資を受けずに自己資金で創業したいという事業主の場合はなかなか難しい話で、銀行等からすれば「融資の申し込みもないのにそんな覚書を交わして、当方に何の得があるんですか?」といった態度に出ます。(当然だと思います。)そして、何とかお願いして、覚書を交わすにあたっての審査までこぎつけますが、大抵の銀行等では融資同様の審査基準で行いますので、「実績がなさすぎるので・・・」といって断られます。「創業補助金」の申請者なので実績がないのは当たり前です。そこで、実績のない創業者でも融資を受けられる「日本政策金融公庫」に依頼したとしても、この「日本政策金融公庫」は金融機関ではないので、実際に融資を実行した事業に対してのみ覚書を出すことができるようで、融資を受けずに自己資金のみで創業したいという事業主の場合は依頼できないのです
以上の事から、この「創業補助金」は、金融機関又は日本政策金融公庫からの融資を受けた事業でしか申請できないこととなります。
(※銀行等との特殊な関係、例えば別の事業でその申請者から銀行等がとても恩恵を受けている場合や、今後その事業主とぜひお付き合いしたいと銀行等が判断した場合等は別ですが)
この「創業補助金」の目的の一つが融資を増やしたいというものですので、その目的を申請基準に反映させた形となっているのでしょうね